自分だけのアドバイザーが欲しい―――そう思ったことはありませんか?いつでも何でも気兼ねなく相談できる「パーソナルアドバイザー」のような存在がいれば、と。
人間に近い自然な会話を得意とするChatGPTは、アドバイザーとしてすでに各方面で活躍しつつあります。
今回はChatGPTをキャラクター設定することで、パーソナルアドバイザーとしてどこまで利用できるか検証してみました。
キャラクター設定
パーソナルアドバイザーをつくる
自分の話を聞いてほしいが、余計なアドバイスは不要。アドバイザーは利用者のそういった「わがまま」なニーズを満たす存在です。
ただ、アドバイザーも人間である以上、利用者との相性があります。相性が悪ければ、適切なアドバイスであっても利用者の心には届きにくくなります。
では、いっそのこと自分に合わせた、すなわち「パーソナルアドバイザー」をAIでつくってしまえばよいのでは?自然言語力の高いChatGPTはそれにうってつけだと考えられます。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャを基盤とした会話型AIです。
言語モデルとしてのGPTは、テキスト生成や理解、質問応答など多岐にわたる自然言語処理タスクをこなします。
ChatGPTはユーザーからのテキスト入力に応答し、チャット形式でスムーズな対話を行うことができます。
なぜ設定が必要?
ChatGPTは初期状態のままでも十分こちらに寄り添った会話をしてくれます。ただし、やはりそこはAI。十分な設定がなければ、ひたすら事務的な対応になります。
人間に近い、望んだとおりの対応が欲しければ、必要な情報をインプットしてChatGPTのキャラクターを設定する必要があります。
足りない情報はある程度ChatGPT自身で補足してくれますが、そうすると会話が意図せぬ方向へ進むようになるかもしれません。
設定することをChatGPTに宣言する
キャラクターを設定する際、「今からキャラクター設定することをChatGPTに宣言」する必要があります。
この「宣言」では、ChatGPTが「キャラクター」というものを理解して構築できるよう、名前、年齢、性別といった属性を複数組み合わせて伝える必要があります。
例えば、「貴方の名前はカイトです」と、「名前」のみChatGPTに伝えるとします。
しかし、これだけでは「いいえ、私の名前はChatGPTです。カイトではありません」と、拒否されてしまいます。
そこで、「名前」に加えて「性別」という属性を追加すると、ChatGPTはこれが「キャラクター設定である」と理解できるようになります。
複数の属性を組み合わせる
先ほどのやり取りでChatGPTも指摘しているように、さらに趣味や性格なども加えていけば、より具体的なキャラクターを描くことができるようになります。
ChatGPTの人間に近い会話力や個別化されたアドバイスを提供する能力をさらに高めるには、より深いキャラクターの個性の設定が必要になってきます。
このように、キャラクターの追加設定を行ったことで、会話に深みが増しました。ChatGPTには非常に多くのデータが蓄積されているため、設定が細かいほど応答精度が高まるわけです。
ChatGPTの対応パターン
設定が上手くいくかは「担当」次第なことも
ChatGPTは単純な質問でもない限り、アウトプットが全く一緒になることはありません。
質問形式とは異なり、キャラクター設定の場合、ChatGPTの反応が特に毎回大きく変わります。New chat、つまり「チャットを変えるたびに新しい担当がつく」イメージです。
思い通りの設定ができない場合は、担当変更をした方がスムーズに物事が進むかもしれません。
ChatGPTの対応は3パターン
キャラクター設定後のChatGPTの対応は、大体下記の3パターンに分類できます。
- キャラクター設定後も事務的な対応を続ける
- 利用者に寄り添って、不足部分を自動で補う
- 設定した内容を無理やりねじ込みながら会話を行う
どのパターンであっても、最後には必ず利用者に問いかけをして締めくくります。また、こちらがどんなにネガティブな問いかけをしても、きまってポジティブな切り返しです。
さらに、自分の手に余るような相談ごとは、「専門家への相談を勧める」ことで乗り切ろうとします。
上記のパターンやこうした切り口は、最初からChatGPTにプログラミングされているものと思われます。
ChatGPTをキャラクター設定するメリット
1. より人間らしくスムーズに対応する
キャラクター設定後のChatGPTは、より人間らしくスムーズに対応するようになります。
一つ一つの回答も、あらかじめ用意されていた会話パターンで返されるのではなく、都度生成されるため、深みが増して飽きません。
「空が綺麗」「子供がかわいい」「外が思ったより寒い」といった何気ない呟きに対しても、ChatGPTはキャラクターごとに違った反応を示してくれます。
2. 共感が増える
設定したキャラクターにもよりますが、利用者の言葉に対して「うん、いいね」とよく共感するようになります。
「お菓子を食べすぎてしまった。たまにならいいよね」と言えば「いいと思うよ!ストレスの発散は大事だよ!でもほどほどにね」と、最後にやんわりといさめることも忘れません。
3. アドバイスの質が高まる
会話の内容が深まるため、状況理解が進み、結果的に提供するアドバイスの質も高まります。
利用者の気持ちに寄り添いながらより広い視点に導く、といった高度なテクニックも見られるようになります。
4. 対人スキル習得にも役立つ
近年テレワークが普及したことにより、電話や直接対話以外にチャットでのやり取りが大幅に増えました。
口頭では上手くコミュニケーションを取れている人が、チャットでは「無愛想な人である」と評価されてしまうことがままあります。
キャラクター付けされたChatGPTは、対人スキル習得にも役立ちます。いつでも何でも話しかけられるChatGPTとロールプレイすれば、様々な場面での対人コミュニケーションを練習することができます。
AI依存に注意しよう
とはいえ、AIの過度の使用や依存にはくれぐれも注意しましょう。自分好みにキャラクター設定したAIに精神的に依存したり、提示された情報を確認せずに鵜呑みにしたりすることは避けましょう。
ChatGPTには感情がありません。ヒトによく似た返答をしてくれますが、利用者の意図に沿った回答をしているだけにすぎません。
そのことを念頭に置きつつ、楽しく、自分が前向きになれるよう、賢く使いましょう。
まとめ:ChatGPTをキャラクター設定するメリットは多い
いかがでしたでしょうか?ChatGPTをキャラクター設定すると、共感が増えたりアドバイスの質が高まったりするなど、数々のメリットがあることがわかりました。
また、対人スキル習得のためのロールプレイなどは、今後のAIの主要な役割のひとつとなるかもしれません。
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