GeminiでAI絵本作成！Google最新機能　【記事紹介】

GoogleのAI「Gemini」に、絵本を自動生成できる新機能「Storybook」が加わりました。

入力したテーマにそって、イラスト付き・ナレーション付きの10ページの絵本を数分で作ってくれるという、なんともユニークな試みです。

キャラクターや世界観を自由に設定できるうえ、画像ファイルをアップロードして、オリジナルの登場人物を登場させることも可能。大人も子どもも楽しめる、新しい「読み聞かせ体験」が手軽に始められます。

AIの操作に慣れていない人でも簡単に使える設計になっているので、ちょっとした空き時間や、親子の時間を充実させたいときにもぴったりです。

この記事では、どんな手順で絵本が作れるのか、実際の使い方や生成される絵の雰囲気などをくわしく紹介していきます。

Google Gemini Storybookで絵本作成

GoogleのAI「Gemini」に、新たに「Storybook」という機能が登場しました。これは、わずかな説明文を入力するだけで、イラスト付き・ナレーション付きの10ページ絵本を自動で生成してくれるというものです。

イラストのスタイルは、コミック風やクレイアニメ風などから選べるほか、自分の写真や画像を使って、完全オリジナルの絵本を作ることも可能。塗り絵のように色をぬれるタイプもあり、自由度の高いカスタマイズが魅力です。

デスクトップだけでなくスマホにも対応し、日本語を含む45以上の言語で利用できるとのこと。AIに不慣れな方でも、誰でも手軽に楽しめるのが特徴です。

このあとは、「かんたんな操作で絵本ができる」「ナレーション付きで読み聞かせもできる」「スマホでも使える手軽さがうれしい」といった視点から、実際の使い方を紹介していきます。

かんたんな操作で絵本ができる

Storybookの使い方はとてもシンプルで、特別な知識は一切必要ありません。基本的な流れは以下のとおりです。

これだけで、Geminiが10ページ分の文章を生成し、それぞれのシーンに合ったイラストを自動で作成してくれます。

最後には音声で絵本を読み上げてくれるので、目を閉じて聞くだけでも物語の世界に浸ることができます。

さらに、絵のスタイルも自由に選べるのが特徴です。

コミック風やクレイアニメ風、あるいはケーキのようなかわいらしいタッチなど、好みに合わせて選択可能。自分で撮影した写真や描いたイラストを使うこともできるので、より個性的な作品に仕上げることもできます。

以下は、Web 上の情報をもとにまとめた、Google Gemini Storybook に対応している絵のスタイル一覧です。

Gemini Storybook：選べるイラストスタイル一覧

スタイル名	特徴・補足説明
コミック風	漫画のようなタッチで親しみやすい表現に。
クレイアニメ風	粘土細工のような立体的で温かみのある描写。
塗り絵風	白黒で線画になっており、自分で色を塗るスタイル。
ピクセルアート	ドット絵調のレトロでユニークな印象に。
クロッシェ風（編み物風）	編みぐるみのような手芸調のデザイン。
アニメ風	日本アニメのような繊細で表情豊かなイラスト。
水彩風	にじみやグラデーションが美しい、優しい雰囲気のタッチ。
幻想的な絵本風	スタジオジブリを思わせる、夢のあるファンタジックな雰囲気。

絵のスタイルは、ナレーションの印象にも影響を与えます。

たとえば、やわらかい水彩風やクロッシェ風の絵本なら、落ち着いた声で語られるおだやかな物語がぴったり。一方、コミック風やピクセルアートのようなメリハリのあるビジュアルには、元気でテンポのよいナレーションがよく合います。

絵の雰囲気と読み上げの調子がうまくマッチすると、まるでプロが作ったような一冊に仕上がるのがこの機能の面白いところです。絵と声の組み合わせによって、同じ物語でも全く違う印象になるのも楽しみのひとつです。

ナレーション付きで読み聞かせもできる

Gemini Storybook は、作った絵本を自動でナレーション付きにしてくれるのが大きな特徴です。

まるで人がそばで読んでくれているような体験が、特別な準備なしで味わえます。声の種類や雰囲気も工夫されており、物語の魅力をさらに引き立ててくれるのがポイントです。

主なナレーションの特徴は次のとおりです。

こうした機能のおかげで、ナレーションの声と絵の雰囲気を組み合わせて、まるでプロが制作したような一冊に仕上げることができます。落ち着いたおやすみ前の時間から、元気いっぱいの物語まで、シーンに合わせた読み聞かせ体験が手軽に楽しめます。

スマホでも使える手軽さがうれしい

Gemini Storybook は、パソコンがなくてもスマートフォンから利用できるのが魅力です。Gemini アプリを開けば、外出先やベッドでくつろぎながらでも、思い立ったその時に絵本づくりを始められます。

手間や準備がほとんど要らないので、日常のちょっとした時間を物語の世界に変えられます。

スマホで利用する際の主なメリットは次のとおりです。

スマホだけで本格的な絵本が短時間で完成するのは、実際に使ってみると想像以上に快適です。ちょっとした空き時間が、創作の時間へと変わる感覚をぜひ味わってみてください。

パーソナライズ絵本 Gemini で自由に作る

GeminiのStorybookは、単にAIが用意した素材で絵本を作るだけではありません。

ユーザー自身の写真やイラストを取り込んで、その素材をもとに完全オリジナルの物語と挿絵を自動生成してくれるのが大きな魅力です。

家族旅行で撮った風景写真が壮大な冒険の舞台になったり、お子さんが描いた落書きが主人公として登場したりと、想像を超える仕上がりが待っています。

さらに、画像のタッチや物語の展開、登場人物の設定まで細かく調整できるため、一冊ごとにまったく異なる世界観を作り出せます。

ドット絵やクレイアニメ風、塗り絵風といった多彩なスタイルから選ぶだけで、作品の雰囲気がガラリと変わるのも面白いところ。ナレーションの声色や話し方も自由に設定できるので、視覚と聴覚の両方で「自分だけの物語」を楽しめます。

ほんの数クリックで、思い出やアイデアを形にした一冊が完成する手軽さは、初めて体験すると驚きを隠せません。大切な人へのプレゼントにも、自分の記録として残すにもぴったりな、新しい物語づくりの方法です。

自分の写真や絵から物語をつくれる

Gemini Storybookでは、手元にある写真や絵をアップロードするだけで、その素材をもとにAIが物語を作り、ページごとの挿絵も自動で生成します。どんな素材でも、AIが物語に変えてくれるので、発想次第で無限のバリエーションが楽しめます。

具体的には、こんな使い方ができます。

素材は1枚からでもOKで、複数枚アップロードすれば、物語の中にさまざまな場面として登場します。アップロードの手順もシンプルで、スマホやPCから画像ファイルを選ぶだけ。加工や切り抜きなどの複雑な作業は不要です。

こうして作った絵本は、誕生日や記念日のプレゼントにも最適ですし、家族や友人との思い出を形にして残すこともできます。まるでアルバムと物語がひとつになったような、特別な一冊が手軽に完成します。

登場キャラクターを自由に設定できる

Gemini Storybookの魅力のひとつが、物語の登場キャラクターを自由に置き換えられることです。

自分や家族、友人、ペット、あるいは空想の人物など、誰でも主人公や脇役として登場させることができます。名前や外見の特徴、服装、髪型、性格などを設定すると、AIがそれをもとに全ページの挿絵とストーリーに反映してくれます。

この機能を使えば、単なる読み物としての絵本ではなく、「自分や身近な人が活躍する物語」という特別感のある作品に仕上げられます。しかも設定はテキストで入力するだけなので、難しい操作は一切不要。

物語の全体像やキャラクターの行動にまで影響するため、完成した絵本はまるでオーダーメイドのような仕上がりになります。

具体的な使い方の例は以下の通りです。

設定例	説明
お子さんを主人公に	名前や特徴、好きな色や遊びを設定すると、その子らしい言動や表情が物語に自然に反映されます。誕生日や入学祝いのプレゼントにも最適です。
家族や友人を登場させる	家族旅行やイベントの写真をもとに、実際のメンバーが物語の中で活躍。読み返すたびに、そのときの記憶が鮮やかによみがえります。
ペットを物語の相棒に	愛犬や愛猫を勇敢な冒険者やかわいい相棒として登場させることで、作品に温かみやユーモアが加わります。
自分を別世界のキャラクターに変身	髪色や服装を自由に設定して、魔法使いや冒険者として登場させることも可能。日常とは違う自分を物語の中で楽しめます。
架空のキャラクターを追加	実在しないキャラを設定して、自分や家族と一緒に冒険させることができます。オリジナルのヒーローや妖精など、想像力の幅が広がります。
思い出の人物を登場させる	祖父母や恩師など、特別な思い出のある人物をキャラクター化して、感謝や思い出を物語に刻むことができます。
趣味や職業を反映したキャラクター	野球選手、料理人、科学者など、趣味や職業をもとにキャラクター設定を行い、ストーリーに活かせます。
季節やイベント限定のキャラクター	サンタクロースや夏祭りの踊り子など、季節感のあるキャラクターを設定して、イベントに合わせた絵本を作ることができます。

このように、登場人物をカスタマイズすることで、物語はよりパーソナルで印象深いものになります。単なる読み物ではなく、自分や大切な人の存在が物語を通して記録される、新しい形の「思い出作り」が体験できます。

ストーリーの展開やテーマも細かく調整可能

Gemini Storybookでは、物語の流れやテーマを自由に設定できます。

感動的なラストにしたいのか、笑いの多いコメディにしたいのか、読者をハラハラさせる冒険にしたいのか──その方向性を指定すると、AIがそれに沿った展開や描写を構築してくれます。

舞台や時代設定も指定できるため、同じキャラクターや素材でも全く異なる物語が生まれます。

こうした調整によって、目的や読者層にぴったりの絵本を作ることが可能です。記念日用、イベント用、学びを盛り込んだ教育用など、用途に合わせて物語の印象を変えられます。

設定例	説明
感動的な友情物語	登場人物の絆や別れを中心に描くことで、心温まる読後感に仕上げます。卒園や卒業の記念本におすすめ。
ハラハラする冒険譚	危険な洞窟や未知の島など、緊張感のある舞台を設定。読者をドキドキさせる展開に。
笑えるコメディ	個性的なキャラクターやドタバタ劇を多く盛り込み、読んでいて自然に笑顔になる物語に。
学びを盛り込む教育的ストーリー	数字や言葉、歴史や科学など、学びの要素を物語に組み込み、楽しく知識が身につく構成に。
季節やイベントをテーマに	クリスマスやハロウィン、夏祭りなど季節感あふれる物語を作成。イベントのプレゼントにも最適。
異世界や未来を舞台に	魔法の王国や宇宙船の中など、日常とは異なる舞台で非日常感を演出。
実在の場所を舞台に	地元の公園や商店街など、身近な場所を舞台に設定して親近感のある物語に。
複数のテーマを組み合わせる	「冒険＋友情」「コメディ＋学び」など、複数テーマをミックスして独自性のある物語に。

Google Gemini Storybookの利点と注意点

Gemini Storybookは、絵や文章をAIが自動生成するだけでなく、その過程をほぼすべてAIが担ってくれるため、利用者は物語の方向性や細部の調整に集中できます。

作業フロー全体がシンプルなので、物語のアイデアが浮かんだ瞬間に形にできるスピード感は、従来の絵本制作では味わえなかった大きな利点です。

さらに、作品は保存・再編集が可能で、後からページや挿絵、文章を追加することもできます。

最初に完成させた作品をベースに、季節やイベントに合わせてアレンジ版を作るといった長期的な活用も可能です。こうした「継続して育てる絵本」という使い方は、家族やファン向けの連作にも向いています。

一方で、生成結果は常に完璧とは限りません。画像では人物の手や背景の形が不自然になったり、構図が想定と異なる場合があります。文章面では、物語のテンポが一定すぎて単調に感じられることや、言い回しが繰り返されることもあります。

こうしたクセを理解したうえで、生成結果を確認・微調整することが、満足度の高い作品づくりにつながります。

Gemini Storybookは、アイデアを即座に形にし、何度でも改良を重ねられる柔軟性が魅力のツールです。ただし、その創作体験を最大限に楽しむためには、AIの得意・不得意を見極め、必要に応じて人の手で仕上げる視点も欠かせません。

何度でも作り直せる＆長く使える便利さ

Gemini Storybookには、完成した絵本のクオリティや使いやすさを高める工夫がいくつも備わっています。

操作のシンプルさや、自分の写真やイラストを取り込める自由度はもちろん、実際に使ってみてこそわかる便利なポイントもあります。

こうした特徴を活かせば、単発の絵本づくりだけでなく、記録として残したり、シリーズ作品として展開したりと、より広い楽しみ方が可能になります。

時どき出る「奇妙な絵」にも気づけるユーモアを

Gemini Storybookは全体的に安定したクオリティで挿絵を生成しますが、まれに思わず笑ってしまうような「想定外」の仕上がりになることがあります。

海外メディアやユーザーの声では、以下のような例が報告されています。

こうしたちょっとした「ズレ」は、見方によっては作品のユニークな魅力にもなります。家族や友人と見せ合い、「こんな変な絵が出た！」と笑い話にすれば、むしろ思い出として残ります。

もちろん「どうしても気になる」場合は、テーマや描写スタイルを変更したり、再生成して調整できます。特に人物や動物の描写精度は、アートスタイルを変えることで改善する場合が多いです。

文章が単調になりがちな点に注意

Gemini Storybookの文章は、わかりやすさを重視しているため、短くシンプルにまとまっています。ただし、その分、ややテンプレート的で単調になったり、描写が平板になったりする傾向があります。

実際に見られるケースとしては、次のようなものがあります。

こうした単調さは、少しの工夫で改善できます。

少し手を加えるだけで、AIが作った下地に人間らしい感情や細やかさが加わり、より味わい深い絵本に仕上がります。

まとめ：Gemini絵本ツールの魅力と注意点

Google Geminiの「Storybook」は、短時間でナレーション付きの絵本を作れる魅力的なツールです。

名前や特徴を反映させて作ることで、子どもや家族にぴったりな内容に仕上げられます。10ページ構成の挿絵と音声読み上げは、読み聞かせの時間をより楽しく、特別なものにしてくれるでしょう。

実際に使ってみると、生成の速さとカスタマイズの幅の広さは想像以上です。一方で、まれに奇妙な挿絵や単調な文章になることがあり、調整や加筆が必要な場面もあります。

しかし、こうした“人の手を加える余地”こそが、より味わい深い作品づくりのポイントになるとも言えます。

利用時に押さえておきたいのは、著作権や肖像権の扱いです。アップロードする写真やイラストは、自分で撮影・制作したもの、または使用の許可を得た素材を利用しましょう。また、生成された作品も、商用利用や二次配布の可否は利用規約に従う必要があります。

安心して楽しむためにも、事前にガイドラインを確認しておくと安心です。

Gemini Storybookは、思い出やアイデアを物語の形で残せる新しい創作体験を提供してくれます。家族の時間や大切な人への贈り物、さらには趣味の創作活動にも活かせるポテンシャルを秘めたツールです。

上手に付き合えば、日常の一コマが、かけがえのない一冊の絵本として生まれ変わります。