AIは様々な現場での活躍が期待されています。
今回は教育現場におけるChatGPTの活用例として、海外から「How to Differentiate Texts with ChatGPT(ChatGPTで教材を差別化するには)」というタイトルの記事をご紹介します。
Source of Reference:TCEA-HOW TO DIFFERENTIATE TEXTS WITH CHATGPT
ChatGPTで教材を差別化する
この記事はまず、「差別化とは、学習内容への重要な入り口を形成し、あらゆる生徒のスキル習得を支援すること」と説明しています。
学習内容、学習プロセス、成果、環境のいずれも差別化することができます。
しかし、学習内容の差別化は比較的むずかしいため、「ひとつひとつの文が短く、二音節以上の単語が少なく、かつ簡単な語彙をもちいたテキスト」へのリライトが有効だとしています。
また反対に、長文や慣用句が多く、語彙がむずかしくて、文構造が複雑といった、読解レベルの高いテキストが必要な場合や、一部の生徒が理解しやすいように別の言語で書かれたテキストを用意することもあります。
ただ、こういった手法はかなり時間がかかるのがネックとなっています。
そこで当ブログでは、ChatGPTのようなAIを使って「差別化された教材」を作成するための3つの方法を紹介しています。
テキストを簡略化するためのプロンプト
ChatGPTにはコンテンツを書き換える機能はありませんが、語彙数を減らすことでテキストを簡略化することができます。
しかしその際、何を変更すべきかをプロンプトを通じてChatGPTに指示しなければなりません。
当ブログでは、プロンプトに含めるべき3つのポイントを挙げています。
- より短い文章
- より簡単な語彙
- より具体的で直接的な表現への慣用句の置き換え
これらのポイントをプロンプトに組み込むことで、テキストをより簡単にすることができるとしています。
例えば、以下のような「細胞周期と細胞分裂」に関するテキストを使うとしましょう。
テキスト例:
この場合、「細胞周期と細胞分裂」のエキスパートになってもらうと、ChatGPTはよりわかりやすいテキストを作成するでしょう。
そこで、以下のようなプロンプトを入力します。
プロンプト例:
あなたは『細胞周期と細胞分裂』に精通したエキスパートです。
以下の変更を加えて元のテキストをリライトしてください:
より短い文章をもちいる;可能なかぎり内容に関する単語をより簡単な語彙に置き換える;
英語を学習する生徒が理解しやすいように、慣用句をより具体的で明確な表現に置き換える。
生徒が元の内容を理解するのに不可欠でない限り、リライトに余分な内容を持ち込まないでください。
最終的なリライト物が元のテキストとほぼ同じ長さになるようにしてください。
もし結果に満足できなければ、プロンプトを編集するか、[Regenerate response]ボタンをクリックします。
テキストを複雑化するためのプロンプト
読解レベルが高い生徒がいる場合、彼らのためのテキストを別途作成する必要があるかもしれません。
より複雑なテキストを作成するよう、ChatGPTへのプロンプトに以下のポイントを盛り込みます。
- より長い文章
- より複雑な文章構造
- よりむずかしい語彙
- 慣用句や絵画的表現をもちいた概念強化
今回使うテキストは、カド族などのテキサス州のネイティブ・アメリカン集団に関するものです。
テキスト例:
そのため、ChatGPTにも「テキサスのカド族インディアン」のエキスパートになった上で、テキストを複雑化してもらいましょう。
この場合、以下のようなプロンプトがおすすめです。
プロンプト例:
あなたは『テキサスのカド族インディアン』に精通したエキスパートです。
以下の変更を加えて元のテキストをリライトしてください:
文構造が複雑な長い文章をもちいる;可能なかぎり内容に関する単語をより高度な語彙に置き換える;
概念を強化するために慣用句や絵文字を使用する。
生徒が元の内容を理解するのに不可欠でない限り、リライトに余分な内容を持ち込まないでください。
最終的なリライト物が元のテキストとほぼ同じ長さになるようにしてください。
結果が満足のいくものでない場合は、プロンプトを編集するか、[Regenerate response]ボタンをクリックします。
テキストを翻訳するためのプロンプト
外国からの生徒にとっては、母国語で書かれたテキストを読む方が簡単かもしれません。ChatGPTはテキスト翻訳のかなり強力な助っ人です。
しかしこの記事では、ChatGPTの翻訳機能を広範に使用する際、対象言語のネイティブスピーカーによるレビューを推奨しています。
読み手にとって正しく明確な文章である、と確信できることが大切だからです。そのようにしてテキストの信頼性を確保しつつ、ChatGPTで効果的に翻訳するとよいでしょう。
例えば、英語で書かれたシェイクスピアの戯曲『マクベス』の一部をスペイン語に翻訳してみましょう。以下のようなプロンプトでChatGPTにその翻訳を指示します。
プロンプトの一例:
あなたはスペイン語とシェイクスピアの戯曲『マクベス』に精通したエキスパートです。
元のテキストを英語からスペイン語に翻訳してください。
翻訳する際にはスペイン語の慣例とルールを守ってください。
すると、簡単にスペイン語の教材へと生まれ変わりました。
テキスト例:
ChatGPTを用いて教材を差別化する際の留意点
ChatGPTを使って教材を差別化する際、他にも以下の点に留意するとよいでしょう:
- レベル:AIに作成させたテキストがすべての生徒に適するかどうかわからないため、各生徒の認知レベルに合わせる。
- テキストの長さ:無料版ChatGPTの場合はテキストの長さに制限があるので要注意。長文の場合は、何回かに分けて編集する必要も。
- コンテンツ:元のテキストに暴力やAIの利用ポリシーに反するテーマが含まれている場合、「基準に違反している」というメッセージが表示される場合がある。例えば「ロミオとジュリエット」やその他の古典文学作品であっても、暴力やいじめの描写が含まれていると、このようなことが起こる可能性がある。
まとめ:目的に応じてChatGPTで教材を差別化する
ChatGPTで教材を差別化する手法として以下の3つを挙げました。
- テキストを簡略化するためのプロンプト
- テキストを複雑化するためのプロンプト
- テキストを翻訳するためのプロンプト
ChatGPTを用いて教材を差別化する際には以下のような留意点があります。
- レベル:AIに作成させたテキストがすべての生徒に適するかどうかわからないため、各生徒の認知レベルに合わせる。
- テキストの長さ:無料版ChatGPTの場合はテキストの長さに制限があるので要注意。長文の場合は、何回かに分けて編集する必要も。
- コンテンツ:元のテキストに暴力やAIの利用ポリシーに反するテーマが含まれている場合、「基準に違反している」というメッセージが表示される場合がある。例えば「ロミオとジュリエット」やその他の古典文学作品であっても、暴力やいじめの描写が含まれていると、このようなことが起こる可能性がある。
目的に応じたChatGPTへのプロンプトを新たに盛り込むことで、様々な差別化された教材を作成することができそうですね。
最後に
いかがでしたでしょうか?今日ご紹介したブログのページ末に、2023年7月27日に開催予定の「AI for Educators Conference(教育者のためのAI会議)」への参加を呼び掛けるバナーが表示されています。
キャッチフレーズはズバリ、「One thing humans can do that AI can’t? Attend this conference. Don’t miss this chance to one up AI」(人間にできてAIにできないことの一つは?それは、この会議に参加すること。AIに一歩差をつけるチャンスをお見逃しなく)。
同イベントのサイトを見ると、参加者は学校の先生、インストラクター、教授らにとどまらず、テクニカルディレクターやアドミニストレーターなども加わっています。
AIに関連した様々なトピックスについて活発にディスカッションするようです。
日本でも今後、教育分野におけるAI活用が急ピッチで進むことでしょう。
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