ChatGPTとスピリチュアリティ – AIの時代こそ人間の時代

ChatGPTに代表される人工知能(AI)は、人間に代わって様々な作業を行ったり、質問に答えたり、会話の相手になったりするだけの存在なのでしょうか?

ChatGPTは、世界中で大きな広まりを見せている「スピリチュアリティ」の分野でも活躍が期待されます。

今回はスピリチュアリティのためのChatGPT活用例をご紹介するとともに、スピリチュアリティの本当の意味や、スピリチュアルな観点からのChatGPTの意義を考えてみたいと思います。

目次

ChatGPTとスピリチュアリティに関する基礎知識

「スピリチュアリティ」の定義

「スピリチュアリティ」の定義は数多く存在します。

ここではA. H. Petermanの定義(Peterman et al., 2002)に基づき、以下を意味するものとします。

  1. 人生の意味や目的を探求すること
  2. 超越的な存在とつながること
  3. これらの探求やつながりに伴う体験や感情

「スピリチュアル」とは

上記の「スピリチュアリティ」の形容詞で、下記の意味になります。

  • スピリチュアリティの
  • スピリチュアリティに関連した
  • スピリチュアリティを目指した
  • スピリチュアリティに付随した

スピリチュアル指数(SQ)

「知能指数(IQ)」や「感情指数(EQ)」とは別に、「スピリチュアル指数(SQ)」というものがあります。

これは「謙虚であり、強い使命感や責任感を持ち、人生そのものに深く感謝するという精神的な態度」を測るバロメーターとされています。

いわゆる「スピ系」や「サイキック」との違い

日本では「スピリチュアリティ」という言葉がかなり曲解されていますが、それはいわゆる「スピ系」や「サイキック」との混同が原因となっている場合が多いようです。

「スピ系」がともすれば現実逃避につながるのに対し、「スピリチュアリティ」は後に解説する「マインドフルネス」、すなわちしっかりと地に足をつけて一瞬一瞬を大切に生きることを重視します。

また、「サイキックpsychic(精神的、心的、心霊の)」はどちらかというと、透視、予知、テレパシーといった超心理学に関連しています。

その他のスピリチュアリティ用語の解説

    • スピリチュアルな実践
      様々な方法を用いて人生の意味や目的を探求したり、超越的な存在とつながろうとする活動のこと。
    • 内省
      本来の自分を取り戻したり気づきを得たりするために、自分自身を見つめ、対話すること。
    • マインドフルネス
      心を「今ここ」に集中させ、一瞬一瞬を大切に過ごすこと。「~すべき」「こうあるべき」といった固定観念を一旦すべて捨てて「フラット」になること。「マインドフル」とはその形容詞で、「今ここ」に集中した状態で、という意味。

    スピリチュアリティの分野におけるChatGPTの活用例

     

    個人的なスピリチュアルガイドとして

    学習能力や適応力に優れたChatGPTは、各ユーザーの信念、価値観、嗜好に基づきアドバイスを提供できるため、個人的なスピリチュアルガイドとしても役立ちます。

    これまでスピリチュアルな実践は、文化的背景や言語、場所の影響を大きく受けてきました。

    しかし、ChatGPTはそのような制限を超え、世界中のスピリチュアリティ関連イベントに参加したり、スピリチュアルな文章や見解に触れたりすることを可能にします。

    マインドフルな内省の促進

    スピリチュアルな実践の一つが「内省」。目まぐるしく変化する現代社会において、静寂と内省の時間を見つけることはとても大切です。

    ChatGPTはよりマインドフルな内省を促します。

    プロンプトに「マインドフルな内省をするのを手伝ってください」と入力すると、以下のようなガイドを提示してくれます。

    マインドフルな内省をするのを手伝ってください

    スピリチュアルコミュニティやリソースとのつながり促進

    ChatGPTのプロンプトは、スピリチュアルコミュニティやリソースとのつながりを促進します。

    他のスピリチュアル探究者と会話をすることで、ユーザーは人間関係を築き、同じような精神性を持つ人からのサポートを見つけることができ、孤立を避けられます。

    また、ChatGPTが持つ豊富な情報と知識は、自己成長のための強力なツールとなります。

    プロンプトに「スピリチュアルコミュニティにつながるにはどうしたらいいですか?」と入力すると、以下のようなガイドを提示してくれます。

    スピリチュアルコミュニティにつながるにはどうしたらいいですか?

    スピリチュアルな会話・相談相手として

    ChatGPTはスピリチュアルな会話の相手、批判を恐れずに自分の考えや感情を表現できる相手、また公平な視野をもつ相談相手としての役割も果たしてくれます。

    このように、ChatGPTの活用により、スピリチュアリティはより身近で、パーソナルで、包括的なものとなるだけではなく、自己成長が促され、スピリチュアルな経験も共有しやすくなることが期待されます。

    社員研修にも

    特にスピリチュアリティの広まりが著しい米国では、スピリチュアルな実践を社員研修に取り入れる大手企業も増えています。

    内省や瞑想といった実践を通じて社員一人一人のスピリチュアリティが高まると、企業成績の向上につながるといわれています。

    このように、ChatGPTの活用により、スピリチュアリティはより身近で、パーソナルで、包括的なものとなるだけではなく、自己成長が促され、スピリチュアルな経験も共有しやすくなることが期待されます。

    知識と知恵

    二つの側面の違い

    その一方で、スピリチュアリティの分野でChatGPTを適切に使うには、「知識」と「知恵」という重要な側面を理解することが不可欠です。

    「知識」とは様々なリソースから集めた情報であり、「知恵」とは得た知識によって生きる能力のことです。

    スピリチュアリティの目標は「知恵」であって、「知識」ではないことを忘れないようにしたいものです。

    知恵は自分自身で獲獲得する必要がある

    例えば自己成長のゴールが「真に自立して生きられるようになること」だとすれば、ChatGPTは使い方次第でその手助けにもなり、妨げにもなり得ます。

    それはなぜかというと、「知恵は獲得する必要がある」からです。

    私たちは生涯で様々な試練に直面しますが、それを乗り越えたときに「知恵」を得て、その知恵を「自分の一部」とします。

    ある困難や問題を解決したり克服したりするために使われた「知恵」が、その人の中に深く刻み込まれるわけです。

    ChatGPTの使い方を誤ると、この成長のプロセスが損なわれるかもしれません。

    特に子どもや若者が安易にChatGPTを使用し続けたなら、知恵を獲得する機会が奪われかねません。

    わかりやすい例を挙げましょう。

    • Aさんは学校で授業をまじめに聴き、重要な点やテストに出そうな箇所を整理してノートにまとめていました。
    • BさんはAさんにそのノートを借りて、楽にテストをパスして学校を卒業しました。

    卒業後、AさんもBさんもエンジニアになりました。現場で苦労しそうなのは、二人のうちどちらでしょうか?

    心してChatGPTを使おう

    上記は一般的な例ですが、スピリチュアリティの分野でも、「楽して得た答えは身につかない」かもしれません。

    ChatGPTに質問して得た答えを自分のものにするには、やはり自分の個人的な生活の中で一つ一つ試す必要があるでしょう。

    「知識」を持って課題や困難を乗り越えたとき、その知識は「知恵」となるからです。

    ChatGPTは間違いなく有用なツールですが、これらの理由から心してChatGPTを使うようにしましょう。

    AIの時代に問われるもの

    ChatGPTと私とは何が違う?

    ChatGPTは一見人間のように反応することができます。何か質問すると、それを分析し、最も論理的な回答を提示します。

    しかしChatGPTには、人間の心の中で何が起こっているのかは分かりません。人間にとってふさわしいと思われる反応を返すことしかできないのです。

    このようなChatGPTと私とでは、何が違うのでしょうか?

    そもそもAIの導入が始まった時から、「人間であるとはどういうことか?」という本質的な問いが繰り返されてきました。

    人間とは、自由意志があり、間違いをおかし、スピリチュアルな探求をし続ける存在

    ChatGPTはプログラムされたことを実行するプログラムであり、利用可能なデータに基づいて予測を立て、しかるべき回答を生成します。

    何をするかはChatGPTが選ぶのではなく、そうするように設定されたこと、つまりプログラマーが選んだことをするのです。

    私たち人間は違います。人間には自由意志があり、その自由意志を使ってあらゆることができます。また、間違いをおかす能力、挫折する能力ほど人間らしいものはないでしょう。

    もし人間が最初からAIのようにプログラムされていたら、物事はもっと簡単になるでしょう。

    しかし、それはもはや「人生」とは呼べません。私たちの人生には、スピリチュアリティな体験、すなわち最も深い自己を発見する神秘に触れる機会があります。

    人間はスピリチュアルな探究をし、成長し続ける存在にほかなりません。

    ChatGPTのようなプログラムは、そのような神秘を排除し、可能な限り早急に結論へと導くことを目的としています。

    これは同時に、私たちが何者であり、何者になっていくのかという謎へと私たちを導いているのではないでしょうか?

    AIが人間を映し出す

    AIがどんどん進化し、より正確に人間の意識の側面を映し出すようになれば、いつか人間のような魂を宿すことができるのでしょうか?

    この問いに取り組む前に、そもそも「人間の魂とは何か、どこから来るのか」という問いに向き合う必要があります。

    巨大なAIの時代に突入した今、人間が人間でなくなるのではなく、より人間らしくなることが極めて重要になります。

    ChatGPTなどのAIの台頭は、むしろ私たちが内省と成長、すなわちスピリチュアリティを見直す大きなチャンスだといえます。

    まとめ:答えはスピリチュアリティに

    いかがでしたでしょうか?ChatGPTはスピリチュアリティの分野においても間違いなく有用なツールです。

    同時に、その活用が進むにつれ、私たちはますます「人間とは?」「人間性とは?」という問いから逃れられなくなるでしょう。

    この問いに対する答えは、スピリチュアリティにあるのかもしれません。

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    この記事を書いた人

    医療やヘルスケアを専門とする翻訳者。海外の記事や生活に役立つ活用法の紹介を通じて、ChatGPTを考える一助となれば幸いです。

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