2022年11月に公開され、今もなお話題がつきない対話型の人工知能ChatGPT。
世界中で話題になり、ChatGPTの精度の高いフィードバックを上手く使いこなす人がいる一方、思ったより便利ではないとChatGPTから離れる人も少なからずいます。
なぜChatGPTから離れる人がいるのか?今回は日本人の「言語化能力」に着目して、離脱の原因を探ってみました。
日本人のくせ
「これ・それ・あれ・どれ」の多用
「これ・それ・あれ・どれ」という指示語、いわゆる「こそあど言葉」は、話し手、聞き手と物事との距離によって使い分ける必要があります。
しかし、ほとんどの日本人は抽象的な現象を説明する際、指示語を感覚的かつ頻繁に使用しているのではないでしょうか。
指示語を使った会話の一例として、ChatGPTに「どうすればメールを書くのが上手くなりますか?」と質問してみます。
すると、このように詳細な回答が返ってきました。
プロンプト:
どうすればメールを上手く書ける?
ChatGPTの回答は非常に丁寧ですが、こちらの質問の「どうすれば・・・?」という指示語に「(教科書通りの回答ではなく)具体的なテクニックや言い回しを教えてほしい」という意図が込められていた場合、これは精度の低い回答ということになります。
意図をくみ取ってもらおうとする
そうすると、ChatGPTに対し、納得できなかったポイントを示しながらより踏み込んだ質問をする必要があります。
しかし、「これ・それ・あれ・どれ」に慣れた日本人は、曖昧な指示でこちらの意図をくみ取ってもらうことを無意識に期待しているため、1回か2回の試行で思い通りの反応がなければ容易に離脱する傾向があります。
日本語は主語を省略しがち
お互いが認知していると思われる事柄について、日本人は主語を省略する傾向があります。あまり主語を意識していないために、何気なく省略しているのかもしれません。
例えば、友達がYouTubeの話を始めて、自分もその話題を続けたいと思い会話を続けた場合、いちいち「YouTubeが、YouTubeが』という主語を繰り返す人は少ないでしょう。
主語、話題の中心ともいえるchatトピックスが共通であれば、ChatGPTもこの辺の意図は汲み取ってレスポンスをしてくれます。
具体例として、Excelのマクロについて質問をしたページでは、お題は「Excelのマクロ」であると認識してくれます。
しかし、同じページで別の話をする場合、お題が変わったことを明確に示す必要があります。ページ内の主語が煩雑になるほどChatGPTのレスポンスの精度は低くなります。
目的の言語化
次に、メールを例にとると、履歴を残す目的もあって些細な事でもメールで連絡してくる人もいれば、文章作成が不得手なことから口頭での連絡を好む人もいます。
ChatGPTを使いこなすには、かなりのレベルの言語化能力が必要といわれています。
使用者が指示内容を明確に言語化できなくても、ChatGPTはその意図を汲み取るよう訓練されていますが、目的とする回答を得るために何度も指示を重ねるのは効率が悪く、これも離脱につながります。
ChatGPTに何をして欲しいのか、最初に目的を明確にすることで、応答精度を高め、時間を短縮することができます。
よりよい回答を得るための工夫として、下記のプロンプト・エンジニアリングが求められます。
- 箇条書きにする
- 文字数を制限する
- コンテキストを示す
しかし、そうしたプロンプトにしても、意図や目的をきちんと反映しているかどうか、つまり「言語化」が大前提なのです。
言語化能力を向上させる3つのポイント
1.接続詞と接続助詞を減らす
ここからは言語能力を向上させる具体的なポイントを3つに分けてお話しします。
1つ目は接続詞と接続助詞を減らすこと。
文と文を繋ぐときによく使う「しかし」「また」「なお」「が」「けれど」「を」などの接続詞と接続助詞が多くなればなるほど、文章が複雑になり、ChatGPTにとって理解しにくいものとなります。
より多くの情報を求めて、複雑な質問を投げかけがちですが、実は複雑な質問には多くの接続詞や接続助詞が含まれるため、回答の精度の低下につながるのです。
逆にいえば、要点をまとめ、接続詞と接続助詞の少ないシンプルな質問にまとめることで、かえって精度の高い回答が得られる、ということになります。
2. 主語の混在に注意する。
2つ目は、主語の混在に注意することです。前述のように、日本人は主語を省略しがちなため、質問を重ねるうちに主語の混在によってChatGPTを混乱させてしまうかもしれません。
それを回避するため、
- New Chatを立ち上げる
- 質問の状況(主語)変わったことをChatGPTに伝える
- 箇条書きにする
などの工夫をするとよいかもしれません。
文章が長くなるほど主語の重要性が高まります。
ChatGPTから想定外の回答が繰り返される場合は、まずは主語を正しく伝えられているか確認することで、やり取りの効率化も図れます。
3. 目的が伝わる文脈にする
そして3つ目は、質問の目的が伝わりやすい文脈にすることです。文章で物事を伝えるには、ある程度の文脈が必要です。
ChatGPTも文脈を通じて質問の目的を理解できれば、より精度の高い回答を返してくれます。
5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)といった要素をバランスよく含めることで、効率のよい文章にすることができます。
文脈の有無でChatGPTの回答がどう変わってくるか、ひとつ例を挙げてみましょう。
プロンプト①(文脈無し):
電気代が約1.2倍になっていると思われる。
原因は?
プロンプト②(文脈あり):
私は建築業界に所属しています。部署は生産管理です。
上司に日本の電気代が高騰している要因を3つあげるように指示をされたので教えてほしい。
補足として、2年前と比較して、約1.2倍になっていると思われる。
これは日本だけの現象なのか。それとも他国でも同様な動きがあるのか。
合わせて教えてほしい。
文脈ありの②の方が、質問者の意図とより合致した回答内容となっています。
アウトプットされた内容を掘り下げて質問をすれば、さらに精度の高い回答が得られるでしょう。
まとめ:「接続詞」「主語」「目的」にアプローチすると効果的
今回は「言語化能力」に着目し、日本人がChatGPTを使いこなすにはどうすればよいのかを考えてみました。
日本人の言語における「くせ」を直すには、「接続詞」「主語」「目的」にアプローチすると効果的と思われます。
言語化能力を高めて、ChatGPTを使いこなせる日本人へと進化しましょう。
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