高齢化にともない、各種介護施設の提供するサービスの需要は増す一方です。
しかし、慢性的な人手不足に悩まされるこれらの施設は、サービスの質は維持・向上しつつ業務を効率化しなければならない、という難しい課題に直面しています。
ChatGPTは「サービスの質の維持・向上」と「業務の効率化」の両方に有効な支援ツールとなると期待されています。
今回は介護施設でChatGPTを活用することのメリットや注意点とともに、そのまま貼り付けて使えるプロンプト(ChatGPTへの指示文)を10例ご紹介します。
介護施設でChatGPTを活用するメリット
ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAIが開発したGPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャを基盤とした会話型AIです。
言語モデルとしてのGPTは、テキスト生成や理解、質問応答など多岐にわたる自然言語処理タスクをこなします。
ChatGPTはユーザーからのテキスト入力に応答し、チャット形式でスムーズな対話を行うことができます。
介護施設におけるChatGPTの活用例
ChatGPTは様々な面で介護施設の役に立つと思われます。業務面とサービス面とわけて考えてみましょう。
業務面
①書類作成の支援
介護施設における業務には書類作成がつきものです。ChatGPTを用いると、書類作成がより効率的なものになります。
例えば、書式の作成、書類の要約、文章校正、さらにはルーチン業務の記録、報告書や計画表の作成、サービス利用者の日々の状態の記録などに役立つでしょう。
書類作成にかかる時間が短縮されれば、職員はよりサービスの方に集中することができます。
②受付業務の支援
ChatGPTを介護施設の受付システムに導入すると、人手がかからなくなる上に、迅速な対応、正確な情報共有、24時間体制での受付が可能となり、サービスの拡大にもつながります。
さらに、各施設の特徴や目的に合わせて受付システムをカスタマイズしやすくなります。
③問い合わせへの対応支援
介護施設のホームページにChatGPTベースの自動応答システムを導入すれば、利用者や家族からの問い合わせに時間を問わず即時対応でき、安心感を持ってもらえます。
これはまた、職員の負担軽減にもつながります。
④業務の効率化、改善のための提案
ChatGPTはまた、状況分析や提案・アドバイスも得意としています。効率化や改善が必要と思われる業務の現状や問題点を簡潔に提示し、提案やアドバイスを求めるとよいでしょう。
その際、できるだけ要点を明確に、主語や述語などにも注意して、分かりやすく説明することがポイントです。
一度で満足のいく回答が得られなければ、何度か表現を変えてトライすることをお勧めします。
サービス面
①会話支援
人工知能(AI)チャットボットであるChatGPTは自然な会話を得意としているため、孤独感や認知面でのアプローチを必要としている利用者との会話支援に役立つと思われます。
ChatGPTに自ら利用者と簡単なあいさつや日常会話をかわしてもらう、といった方法以外にも、特定の利用者との会話に相応しい話題を提案してもらうといった活用法も考えられます。
②レクリエーションやアクティビティの提案
ChatGPTはリクエストに応じて様々なアイデアを提供してくれます。
利用者のためのレクリエーションやアクティビティも、ChatGPTに色々と提案してもらえれば、レパートリーの幅が広がり、サービス利用者の満足につながります。
時間配分の他、「座位で行う」、「車椅子利用者が多い」、「女性の高齢者が多い」といった情報を加えてリクエストすれば、より的確なアイデアが得られるでしょう。
さらにはChatGPTを組み込んでゲーム化すれば、一層楽しいレクリエーションやアクティビティとなります。
③個別化された介護計画の作成支援
ChatGPTは個別化された介護計画の作成も支援してくれます。
例えば、患者の性別、体格、病歴、機能的制限を含む現在の健康状態、嗜好、目標といった情報を入力すると、ChatGPTは最適と思われるサービス内容を提案してくれるでしょう。
これにより、計画作成にかかる時間が削減されるだけではなく、より広範な視点から各利用者のための介護を考えられるようになり、結果的に提供できるサービスの質が向上すると考えられます。
注意すべき点
基本は「人と人」
対人援助の基本はサービス利用者との信頼関係であり、結局は「人と人」のつながりに尽きます。
ChatGPTは有用なAIですが、あくまでも支援ツールであり、利用者一人一人の個性やニーズを無視した画一的な介護サービスのためのものであってはならないでしょう。
情報の正確性
ChatGPTが生成する情報はもとの学習データからくるものであり、常に正確であると限りません。安易に鵜吞みにせず、重要な点は自分で確認することが大切です。
個人情報の取り扱い
ChatGPTには、名前、住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報を含むデータを入力しないよう気をつけましょう。
ChatGPT利用時の個人情報の取り扱いに関しては、個人情報保護委員会が2023年6月2日に公表した「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」などを参考にしてみるのもよいでしょう。
コピペしてすぐ使える!ChatGPTプロンプト10
1.介護計画の作成支援(その1)
プロンプト:
あなたはケアワーカーです。
以下の利用者様のための個別化された介護計画を立案します。
どのような援助の方針にしますか?
年齢:
性別:
病歴:
性格:
趣味:
家族構成:
本人と家族の意向:
2.介護計画の作成支援(その2)
プロンプト:
介護計画において、以下の【条件】を考慮し、各課題を解決するための長期目標、
短期目標、サービス内容を提案してください。
【条件】
年齢:
性別:
病歴:
性格:嗜好:
本人の意向:
家族の意向:
援助の方針:
課題1:
課題2:
課題3:
3.デイサービスのレクリエーション提案
プロンプト:
あなたは介護施設の職員です。
デイサービスでのレクリエーションを3パターン提案してください。
参加人数は<####>名。
年齢は<####>歳。
女性が<####>名。
車椅子利用者が<####>名。
認知面で問題のある利用者が<####>名。
所要時間は<####>分。
4.デイサービスの集団体操提案
プロンプト:
あなたは機能訓練指導員です。
デイサービスでの集団体操を3パターン提案してください。
各動作の効果や目的も明記してください。
参加人数は<####>名。
年齢は<####>歳。
座位/立位(のいずれか選択)で行う。
運動強度は<####>。
所要時間は<####>分です。
必須条件はケガのリスクが最小限であること。
5.認知レベルの異なるサービス利用者との会話に相応しいトピック提案
プロンプト:
認知レベルが<####>のサービス利用者さんとの会話に相応しいトピックをいくつか提案してください。
6.ケアワーカー支援の提案
プロンプト:
ケアワーカーへの支援方法、特にストレス対処法や長時間の介護業務による腰痛防止策を具体的に提案してください。
7.インシデント報告書の作成支援
プロンプト:
介護施設で発生した以下の事故のためのインシデント報告書を作成してください。
「6W1H」を用いて情報を整理し、以下の項目で報告書を構成すること。
【概要】
【原因分析】
【根本原因】
【改善策】
事故の説明:
例:2023年10月30日、利用者A様が居室のベッドの脇で倒れているところをケアワーカーBが発見。
「トイレに行こうとしたら、足がからまって転んだ。右肩が痛い」と話される。Bから担当看護師に報告済み。
8.施設内の転倒防止策の提案
プロンプト:
施設内の転倒防止策をいくつか提案してください。
施設の種類は<####>。
利用者総数は<####>名。
年齢は<####>から<####>歳。
介護度は<####>から<####>。
車椅子使用者は<####>名。
認知レベルは<####>から<####>。
9.職員が書いた文章の校正
プロンプト:
あなたはプロのライターです。
職員の書いた以下の文章を<####>に相応しいものになるよう校正してください。
文体は「です・ます」/「~である」(いずれか選択)で統一してください。
10.施設内の転倒防止策の提案
プロンプト:
以下の業務を効率化/改善(いずれか選択する)するための方法を提案してください。
業務内容:
現在の問題点:
(例:時間がかかり過ぎる、記入漏れが多い、情報が正確に伝達されない等)
まとめ:ChatGPTは介護サービスの質向上につながる
介護サービスの基本はあくまでも施設と利用者との信頼関係、「人と人」にあります。
しかし、ChatGPTの活用はその妨げとなるのではなく、業務の効率化や職員負担の軽減により、結果的に一層クオリティの高いサービス提供につながることが期待されます。
プロンプトを工夫することで応答精度も高まり、活用範囲がさらに広がることでしょう。
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