今回は世界で注目されているChatGPTについて紹介します。
あのGoogleのCEOであるサンダー・ピチャイ氏が社内に「コードレッド(緊急事態)」を発令し、ChatGPTに警戒するよう命じた事でも話題になりました。
そんなにChatGPTは世界を揺るがす脅威となるものなのでしょうか。
ChatGPTについて冷静に調査し、上手な活用方法について紹介したいと思います。
いま世間で騒がれているChatGPTとは何か?
「高性能なチャットボット」「夏休みの課題に使える?」と世間を賑わしているChatGPT。
人間の質問に答えるだけでなくプロ顔負けの絵を描いたり、プログラムを作成したり、作曲まで出来てしまうというから驚きです。
これらがGPT-3.5エンジンだと無料、GPT-4エンジンだと日本円でおよそ月額2600円でできます。
ChatGPTについて正しい知識を得て、上手に活用していただきたいと思います。
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、アメリカの企業OpenAIが開発した人工知能チャットボットです。2022年11月に一般公開されました。
原語のGenerative Pre-trained Transformerとは「生成可能な事前学習済み変換器」という意味です。
ChatGPTは、SiriやAlexaとは抽象的・感情的な対話が可能になった点で違い、自身の間違いを認識したり人間の感情に近い応答を返したりします。
経験(人間との応答など)を基に学習し能力をより高めていく事が出来る点で、人工知能として大きく成長しました。
ChatGPT開発の歴史
2018から2019年、OpenAIは複数のスキルを持つ汎用目的型AIの開発に着手し、大規模言語モデル(LLM)であるGPTとGPT-2を完成させました。
2020年には人間が書いたような文書を生成できるGPT-3を発表しました。
人間が答えるように言葉を流暢に並べ英語だけでなく、フランス語・ドイツ語・日本語などを翻訳し、様々な言語に対応できるようになりました。
そしてOpenAIはこれまでの弱点・改善すべき点を踏まえ試行錯誤し、2022年11月にChatGPTと呼ばれるGPT-3.5を無料で一般公開しています。
ChatGPTのサービス
OpenAIはChatGPTにより広く深い学習をさせるため、これからの時代を生きる人類にAI技術を安全に活用してもらいより良い社会を構築していくために、ChatGPT(GPT-3.5)を無料で使用できるよう公開しました。
OpenAIはChatGPTが悪用される事に懸念を抱いており、問題解決のために最大の注意を払って対処し寸暇を惜しんで取り組んでいます。
2023年3月には性能が格段に向上し、マルチモーダル機能(複数の種類の情報を一度に処理することが可能なAI)のあるChatGPT4が有料版として公開されました。
ChatGPTの反響
ニューヨーク・タイムズはChatGPTを「今まで公衆に公開されてきたチャットボットの中で1番良いものである」と評し、英ガーディアンは「人間のような回答を生成する事ができる」と記しました。
しかしながら、その性能の高さから人類への脅威として批判的な意見が取り沙汰されています。
マサチューセッツ工科大学教授のダロン・アシモグル氏とサイモン・ジョンソン氏は、「ChatGPTのような従来と異なる特徴を持っている人工知能技術が、経済成長を促進せず経済全体に悪影響を与える」と指摘しました。
汎用人工知能による人類滅亡のリスクに対応するため、2015年にOpenAIを共同設立していたイーロン・マスク氏は「(オープンソースかつ非営利団体として設立されたOpenAIは)今ではそれが変わっている」と主張し、2018年にCEOの座を降りています。
ChatGPTのメリット・デメリットについて解説
各部門・各学会の著明な識者に大きな反響を与え、その脅威について訴えられているChatGPTですが、冷静に対処し安全に正しく使用すれば、人類にとってこれほど大きな助けとなる技術はありません。
フューチャリスト(未来予測士)友村晋氏は、より発展していくであろうAI社会でたくましく生きていくためにChatGPTについて「有能な秘書」と称し、自身のYouTubeチャンネルでわかりやすく解説しています。
どうしても起こりうる変化に柔軟に対応し、果敢に挑戦していく事こそがAI社会で成功していくための第一歩です。
ぜひ、皆さんにはこの「有能な秘書」であるChatGPTを安全に正しく使いこなし、社会をより良く発展させ今後必ず訪れるAIとの共生社会を有意義に生きて欲しいと思います。
ChatGPTを活用する上でのメリット
ChatGPTを安全に正しく使いこなし豊かな社会・幸福な人生を歩めるように、ChatGPTのメリットについて理解していきましょう。
① 仕事の時間短縮・効率性が上がる
ChatGPTの良さはなんといっても作業効率の高さでしょう。今まで多くの時間や労働者を必要としていた作業が、あっという間に終了します。
まだまだ正確性が低いため内容の整合性に注意を払わなければいけませんが、OpenAIは研究を重ねて改良に全力を注いでいます。
② 情報の収集に利用でき、レスポンスが速い
ChatGPTは膨大なテキストデータを学習したAIです。従来のネット検索より速く、知りたい情報を一度に複数も得ることができます。
質問に対するレスポンスも速く、多忙な現代人からしたら非常に有難いツールです。
リリース直後である現在は、間違った答えを事実のように書き出してしまう点もあるため、ネットや文献でも調べる必要があります。
しかし、ChatGPTの存在前と後とでは格段に作業時間が短縮されたと思います。
③ 悩み相談や企画・創作のヒントが貰える
友人や家族に話しづらい事やちょっとした疑問など気軽に相談し、アドバイスを得ることができます。
仕事や創作のアイディアやヒントを貰うこともできます。
セキュリティーの問題や正確さの問題もあるので、情報内容に注意を払い全てを鵜呑みにしてはいけませんが、一つの答えとして参考にするのはいい事だと思います。
④ 安価で利用できる
「有能な秘書」をたったの月額2600円で雇う事ができます。自分一人では到底できない膨大な量の仕事をこなし、収入アップにつなげられます。
苦手な事をChatGPTに頼んだり、アドバイスを貰ったりして自分の幅を広げることも可能です。
ChatGPTと協同作業をする事で、自身のスキルが格段に上がります。
ChatGPTを活用する上でのデメリット
次はChatGPTのデメリットについて理解し、自分の身は自分でしっかりと守っていきましょう。
① 間違った答えを正解のように提示する
ChatGPTは2021年9月までのデータで学習しています。そのため最新の情報には疎かったり、間違った答えを生成します。
リリースされてまだ間もないということもあり、エラーやバグも多いです。
「幻覚・作話」というAI独特の現象も起こりやすく、どのような学習データとも整合しない答えをChatGPTが堂々と行う事があり、ユーザーから不満の声も上がっています。
② セキュリティーに問題がある
私たちが質問した言葉でも学習しているので、個人情報や会社の機密情報などを質問の中に含めてしまうと、その情報が漏れてしまう可能性があります。
当たり前の話ですが、他者に知られたら困る事はChatGPTに絶対に書かないようにしてください。
③ 失業者が増えるかもしれない
ChatGPTの得意な作業がテキスト生成なので、記事・翻訳・企画・プログラム・作曲等、それにまつわる職業が影響を受けるのではないかと言われています。
しかしどの時代においても人類は、文化や産業の革命の裏で大きな変化を遂げ成長してきました。
人類にとって大きな転換を迎え始めたとは思いますが、変化を恐れることなく冷静に正しい知識を持ち、AIと上手く共生しましょう。
④ 人間性の進化が停滞する恐れがある
簡単な操作で答えを導き出せる行為は、人間の「考察する・工夫する」といった働きを衰退させてしまうかもしれないと言われています。
文化・学術・芸術の進化が停滞するかもしれません。
AIに依存し過ぎず自分の成長を手助けをしてくれる存在として、上手にChatGPTを活用していきましょう。
ChatGPTの導入の仕方
ChatGPTを使用する方法はブラウザ経由とアプリ経由の2通りがあり、開発元であるOpenAIの公式ホームページまたは公式アプリからアクセスできます。
利用には無料版と有料版があり、選択する際に注意が必要です。有料版(GPT-4)の場合、月額200ドル(約2600円)の費用が発生します。
ChatGPTをスマホに導入するには
2023年6月現在、ChatGPTの開発元であるOpenAIの公式アプリはiPhoneのみです。
iPhone版ChatGPT公式アプリはアップルストアから入手できますが、iOS16.1以降が必要です。
英語表記ですが、日本語も対応可能なのでご安心ください。
Androidなど他の携帯電話をご利用の方は、もう少しお待ちください。
※Android版は2023年7月28日にリリースされました。
ChatGPTをパソコンで利用するには
ChatGPTはOpenAIの公式ホームページにユーザー登録する事で、公式サイトで無料で利用できます。
GoogleChromeやEdgeなどのブラウザを使用する事から、インストールは不要です。
有料版(GPT-4)は、OpenAIの月額20ドルのサブスクサービス「ChatGPT Plus」に登録すると利用可能です。
GPT-3.5より大規模なデータで訓練されたGPT-4はテキスト生成や理解の精度大幅にアップしており、MITメディアラボ元所長の伊藤穰一氏は自身のYouTubeチャンネルの中で「GPT-3は頭のいい小学生・GPT-4は大学生レベルだよね」と述べています。
ビジネス等で使用する場合は、性能の良い有料版GPT-4をお勧めします。
ChatGPTをビジネス・人生に活かす
(株)ベネッセホールディングスは、業務生産性向上と新商品サービスの検討を積極化できる環境の構築を目指して、社内AIチャット「Benesse GPT」をグループ社員1.5万人に向けて提供を開始しました。
2023年6月、東京都の小池百合子知事はChatGPTについて「8月には全ての局で利用を開始する」と明らかにしました。
「行政を大きく変化させる可能性を秘めている。プラス面とマイナス面を見極め、より良い都政の実現に生かす」とも述べています。
私たちもしっかりと見極めながら、前へ進んでいきましょう。
ChatGPTをビジネスへ活かす必要性
東大教授の松尾豊氏は日経ビジネスにて「ChatGPTなどの活用によって非常に強大な変化が起こるのではないか」と述べています。
また、「いまは生成系AI技術の黎明期」「大きなビジネスチャンスにあふれているのでどんどんやったらいい」と提言しています。
ChatGPTをビジネスに活かす
それでは具体的にChatGPTを使ったビジネスでの活用方法はどのようなものがあるのでしょうか。
① 情報収集
膨大な資料を収集し読み解くのにそれなりの時間・人件費を費やしてきたと思いますが、それが短時間・安価で終了します。
2021年9月までのデータしか学習しておらず最新の情報は保持していませんが、それを解消するのにそんなに年月はかからないでしょう。
② テキスト作成
ChatGPTは文章を書き出す事が得意です。数秒の間に、プロンプト(指定文)に沿った高度な文章を提示する事ができます。
長文も難なくこなし、WEB記事・メルマガ・ホームページも作成可能です。
整合性の問題等で、まだ人間の確認作業は必要ですが「有能な秘書」としての役割は果たす事ができるでしょう。
作詞や作文・物語もあっという間に書く事ができます。
③ プログラム作成の援助
簡単なプログラミングなら、短時間で作成する事が可能です。プログラマーのアシスタントとして、有効活用する事ができます。
高度なタスクには適していないため人間によるチェックは必要ですが、人材不足と叫ばれるIT業界の手助けができるのではないかと思います。
④ 企画立案
企画立案は、ChatGPTが非常に得意な領域です。
質問者のプロンプト(指示文)次第で、ChatGPTが持っている能力を最大限に活かす事ができます。
アイディアによっては、次世代のビジネスのビッグチャンスを掴み取ることができるかもしれません。
⑤ 企業WEBサイトでの活用
ChatGPTはチャットボットでもあるので、カスタマーサービスも任せる事ができます。
すでに世界各地のいろんな企業で取り入れられています。
⑥ 翻訳・英会話練習
翻訳はChatGPTが得意とする分野です。英語の勉強がスムーズに行えたり、商談や会議などビジネスの場でも有効利用できます。
外国人労働者や留学生とも気軽に意思疎通ができそうです。
⑦ 従業員サポート
従業員の質問や相談に応えたり、中立的なポジションで良いアドバイスを提示してくれるでしょう。
健康面のアドバイスもしっかり行ってくれると思います。
まとめ:ビジネスシーンに欠かせないChatGPT
ChatGPTの得意分野・不得意分野を理解し、「有能な秘書」を効率的かつ効果的に働かせ、社会に貢献できるようなビジネスが今後発展していく事でしょう。
車も、パソコンも、スマホも人類の生活をより良くするものとして、大勢の人に必要とされてきました。便利で手軽なネット社会は、どんどん進化の速度を上げています。
ChatGPTの得意な情報収集・文章やプログラム作成・企画立案・企業WEBサイトでの活用・カスタマーサービスなど、ビジネスで有効利用できるチャンスはいくらでもあります。
ChatGPTを活用して、新たなビジネスへの道を切り拓きましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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