ChatGTPを活用するために必要な覚悟

2022年11月より一般ユーザーにサービス提供が開始されたChatGTP。

米国のOpenAI(人工知能研究所)がデベロッパーとなって開発された対話式の言語モデルを採用した最新のAIシステムは、提供開始よりわずか2ヵ月で1億2,300万ユーザーが登録されています。

加速度を増すAI活用に関して、下記の切り口で「AIを活用するための心構え・覚悟」を探ります。

  1. AIを活用するための意識確認
  2. AIの留意点
  3. AIと感性
目次

AIを活用するための意識確認

現在までの地球・人類の進化の歴史を辿ると、下記になります。

  • 地球が誕生して約46億年。
  • 人類(ホモ・サピエンス)が出現して30万年。

※脳の完成は50万年前。[あわせて儀礼、儀式(宗教?)が始まる]

  • 農業始めて1.1万年。
  • 都市国家を起こして5,000年。
  • 通貨(エレクトロン貨)使い始めて2,700年。
  • 株式会社が設立されて420年。
  • 機械を使い始めて(大量生産、コスト削減、品質安定)300年強。
  • 月面着陸して55年。
  • インターネット普及が始まって50年。
  • AI普及が始まって9ヵ月


地球と人類の歴史には圧倒的な時間差があるものの、上記のキーワードから、人類はさまざまな仕組み、ツールを活用してスパイラルに成長してきた事が想像できます。

この中で人類は幸福を求めて、争い、奪い合い、幾度となく同じ過ちを繰り返して生存してきました。

近代社会においてはインターネットの普及により、情報を入手する時代から、選別する時代へ変わりました。

今まで認識されていなかった様々な課題「労働、人口、人種、都市、農村、住宅等、(地域別に濃淡あり)」が露呈して、普及前の時代と比較すると大きく課題の質が変化していることが見受けられます。

そして新たに普及がはじまったAI。

このツールは、“情報過多の中、自動で取捨選択して最適と思われる結果を導き出す”と言われている魔法の様なツールなのですが、はたしてその回答は“最適”なのでしょうか?

このツールを活用するためには、あらためて、人類、組織、個人の“最適”を見つめ直す作業が必要なのではないでしょうか?

歴史も踏まえて、人類は前述の様々な革新、開発によって何を求めてきたのでしょうか。

そこには必ず根底に “3大欲求(食、性、眠)を満たす為” の願望がありました。

人類が生存する上での必要条件であり、この3つの欲の安定が人生の基盤と考えられていました。現代でも、この実情は変わりません。そして人類は貪欲でした。

3大欲求の基盤を、効率よく、迅速に構築する為に、他者を支配する術を編み出します。

帝国(国家)、宗教、通貨なるツールを駆使して、基盤構築は他者に任せ、人類のもう一つの大きな欲求 “知識を得て創造する”(承認欲求及び自己防衛欲求)ことを大きな美徳として、あこがれ、目指すようになります。

学問(哲学、数学、天文学…)、芸術、詩人。。。等、古代人類は、奴隷制度という名の差別を設け、基盤の構築、維持は他者へ。

創作作業が自身の本分という区分を設けて全ての欲望を満たそうと営んできた経緯があります。

この流れを、現代に当てはめてみると、

  • 奴隷制度は悪しき差別文化として、現代では非難されている。
  • ITは効率化ツールという側面だけでなく統治ツールとしても活用されている。

大きな変化はあるものの、本質的な欲求に関しては、さほど変化していないのではと感じてしまいます。

そう考えた時に、悪しき奴隷制度は撤廃し、IT(AI)と有効な関係を築いて、“3大欲求 ≒ 資金調達” は奴隷ではなく相棒であるAIと共にあります(※各種、個人差あり)。

“創作作業は自己努力で”といった様な、AIを相棒として活用するポイントを各組織、各自で認識する、覚悟する事が、人類が求めてやまない “最適 ≒ 幸福感” への最大の近道なのではないでしょうか?

AIの留意点

前述で述べた通り、目的を明確にした上でAIを活用するには、様々な作業、行為の効率化、迅速化が図れる可能性があり、大きな期待が寄せられているツールです。

しかし、活用する上で懸念しなければならない課題があります。

AIが瞬時に出した回答を否定するのには多くの時間を要する。

現在のChatGTPは、私が利用している限りでは“他社の検索エンジンとさほど変わらない情報量で、対話型に内容を要約してくれるデータベース”との印象を持っています。

しかし、インターネット情報と同様に、「その情報は正確なのか?その情報は最適なのか?という検証作業が必要である」と認識し、検証時間が膨大に掛かる可能性がある事も覚悟しなければなりません。

ITの歴史は、極々1部の人間しか利用できない大型計算機として生まれ、ネットワークの進化と共に汎用コンピューターとして一般の方々に浸透しました。

その後、データの収集を目的としたMRP、MRP2へ変貌を遂げたのちに、業務プロセスを管理してデータの鮮度、精度、粒度を担保するERPや各種業務システムへと発展を遂げました。

そして、収集したデータの分析を目的としたデータウェアハウスやビジネスインテリジェンスと呼ばれるシステムが登場します。

「チェーンソーを購入した人は、高い確率で2週間以内にマットレスを買いに来る」というような、今まで見えなかった購買関連性(風が吹けば桶屋が儲かる)をデータで証明し、先行投資、調達活動をサポートしてきました。

いずれも、いまだ進化の途中ですがAIに関しては、ダイレクトなデータの活用の分野で大きな期待が高まっています。

そこには、過去の歴史を踏まえた正しい、最適なデータと正しい、最適な分析が必須となり、その正確性は稼働して実績を積むことでしか証明出来ないのが現状です。

そんな現状の中で“正しくない事を証明する”事は、正しいことを証明する以上に困難であり、利用者の経験情報に依存するしかありません。

現時点では、利用者がある程度、経験値のある事象での効率化、迅速化を目指したデータ活用として大きな期待は持てます。

しかし、創造を目指したデータ活用としては、リスクがあることを理解した上で、中長期の相棒として付き合っていく事が大切です。

AIと感性

私は古くから、尊敬してやまない水中カメラマンの方がいます。

その方は、淡水生物のカメラマンとしてフィルム映像にこだわり、現在も活躍されています。

彼の映し出す写真は臨場感、躍動感、色彩全てにおいて解説がなくとも、その生物が何を求めて、どのような生態なのかが想像できてしまう不思議な力があり、見るものを圧倒します。

なかなか言葉にするのは難しい迫力がある映像です。

現在、カメラの主流は言うまでもなくデジタルです。他のカメラマンは、水中で対象を見つけると数百枚から数千枚の連写撮影をこなし、陸に上がって最適な1枚を保存します。

彼は24枚撮影する度に陸に上がってきます。但し、彼の手法は対象を見つけると、近くで構えて、ジッと待ちます。

ファインダー越しに対象を観察し続けて、ここぞという瞬間、シャッターを切る為、時にはデジタルカメラのカメラマンよりも時間がかかります。

先入観、偏見で私の目が錯覚を起こしているのかもしれませんが、彼の作品には他の追随を許さない何かがあると感じています。

この話は決して、最新のデジタルカメラを否定するものではありません。

カメラマンの方の感性を称えたく、“たとえ”として書いたのですが、今後AIは、間違いなく創造の世界により深く関与してくると想定しています。

もうすでに間接的?な関与は始まっています。

SNS上での閲覧数を集計して、上位閲覧動画の共通項目を洗い出し、その項目に沿ってシナリオを自動作成してあらたな動画を作成したり、過去実績の高い監督、脚本、各種スタッフを洗い出し、売れ筋シナリオに沿った作品を大量生産する。

いずれも、既存の製作費、期間を圧倒的に短縮した作品が世間に多く存在します。

現実にそれらの作品はそれなりの閲覧数、動員数を記録して、企業、制作スタッフ、視聴者のWinWinの関係を築き上げています。

私自身も作品に感動した後、裏話として“この作品はAIを駆使して…”といった話を聞くことが数多くあり、少しだけ複雑な感情を持ってしまうことがあります。

“AIを使っている。 = 楽をしている。ズルをしている。”といった感覚を私はいまだに持ち合わせてしまっているようで、複雑な気持ちになります。

ですが、AIの技術は確実に私を感動させるだけのスキルを持ち合わせています。

そのうち、私が敬愛しているカメラマンの作品も、見分けがつかない作品をAIが作成する日が訪れるのでしょう。

そう覚悟したときに、私の中で、1つの大きな欲望が生まれました。

“クオリティの高い感性を身に着けたい”

今後、様々なアウトプットを想像を超えるスピードで、世に出してくるであろうAI作品に対して、素晴らしさを見極める感性を磨いていきたい。

AIの時代は、全ては受け取る側に委ねられる時代となるのではないでしょうか。

現在より格段に、高品質、低コスト、ハイスピードで様々なアウトプットが出荷される中、何を受け取ると最適な幸福感が得られるか?を人類は、今以上にシビアに見極める必要が出てきます。

科学の進化に伴い、人間の内面の進化が求められる。こうして、切磋琢磨しながら科学と人類は歩み続けてきたのではないでしょうか。

まとめ:AIの未来と人類の役割 – ChatGPTの進化と共に歩む道

とどまることのないAIの進化。ChatGTPも今後、加速度的な進化を遂げ、未だ誰も見たことのない世界の扉を開き続けることでしょう。

歴史的にもツールや仕組みの進化、発展に伴い、人類は様々な適応力、応用力を発揮して現在まで辿り着いてきました。

今後のAIの進化に関して、1つだけ、心から願わなければならない想いがあります。

“どうか、人類を基準の1つとして進化を進めてください。”

これはエゴ以外の何物でもなく、わがままな発言をしているのは重々承知しております。

しかしながら、地球もしくは宇宙を基準として考察した際、オゾン層破壊、温暖化、海面上昇、各種生物の生態系の変化、等々、人類の重罪は削除の対象となる可能性も高いと考えています。

どうか、現在までの適応力、応用力も評価して、人類を軸に地球、宇宙を考慮した幸福度の高い回答を提供してもらいたいと切に願う次第です。

最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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