仕事をする人は誰でも「業務を効率化したい」という思いがあるのではないでしょうか。ChatGPなどのAIツールが進化し、手軽に機能を利用できるようになったことも考えられます。これらのツールを組み合わせてさらに業務を効率化する方法に注目が高まっています。
今回は2021年に新しくなった業務自動化ツールのmake(旧Integromat)について詳しく説明します。実際にmakeを使ったアプリの連携も説明していますのでどうぞ最後までお読みください。
Integromatとは自動化ツールのひとつ
Integromatはチェコのスタートアップ企業が開発したオンライン自動化システムです。
ノーコードツールとも呼ばれ、プログラミングに関する専門的な知識がなくとも比較的簡単な設定で複数のアプリケーションを連携させて自動化できるのが特徴です。
2020年にセロニス社がIntegromatを買収
2020年10月にドイツのデータ処理会社であるセロニス社がIntegromatを買収します。この買収により自動化機能が強化され、より使いやすく、利便性のあるクラウドをベースとした環境が整えられました。
買収後もIntegromatのサーバ自体はチェコにありました。しかし、今後はより多くの国で利用できるることを視野に入れていたこともあり、AWS(Amazon Web Services)を利用することにしたようです。
AWSのメリットは?
クラウドコンピューティングがメインならサーバはチェコにあったままでもよいのでは?と疑問が残ります。
しかし、AWSなら世界中にデータセンターがあること、データの保護や高度な物理的セキュリティがあること、また、緊急対策が提供されることがメリットだったと考えられます。
なお、実際にはmakeのサーバはアメリカとヨーロッパにあるようです。
Integromatから新たにmakeが誕生
データ基盤をAWSに移し、2021年に社名とサービス名をmakeに変更しました。サービス名makeの由来は以下のように公式サイトで説明されています。
「Make」は短く、現代的で、綴りも発音も簡単です。これは、ユーザーがプラットフォーム上で行うことを表す動詞です。最も重要なことは、これは当社の製品の進化、顧客の精神を表しており、厳格でトップダウンの反復的な仕事から、柔軟で力を与えて有意義な仕事へという、この時代の最も変革的なトレンドの 1 つを反映しているということです。
引用元:make公式サイト
なお、Integromatのサポートは2023年で終了し、Integromatでの新規登録はできず、自動的にmakeにリダイレクトされるようになっています。
あたらしいmakeでできること
makeの「Integromat は Make に進化 – 当社の新しいブランドおよび主力プラットフォーム」のページには改善点や新しい機能が全て説明されています。ここではmakeがピックアップしている4点について挙げ、それぞれ簡単に説明していきます。
1.ライブ ストリーム実行時の詳細を確認できる
自動化タスクの様子をリアルタイムで見ることが可能になり、設定したタスクが期待通りに機能しているか確認できるようです。エラーが起きた際にも原因箇所を切り分けるのが簡単になりそうです。
2.大量の受信リクエストにほぼリアルタイムで応答可能
複数のWebhookリクエストを同時に処理でき、アプリケーション間の連携がスムーズになったようです。大量のデータを扱うビジネスや、リアルタイム性が求められる業務にとって大きい改善といえるでしょう。
3.パブリック APIを使用し高度な自動化が可能に
MakeのAPIを使えば、他のアプリケーションを使ってMakeの機能を制御でき、タスクを実行することが可能になったようです。Makeの自動化機能を利用した活用事例がさらに増えそうです。
4.自動化を構築するプラットフォームがより使いやすく
他のサービスから返された情報への反応時間が大幅に短縮されたようです。シナリオ(一連の手順や流れを示すレシピのようなもの。make独特の呼び方)を作る際に、カスタム変数を作成したりすることも可能になりました。
makeを使う前に知っておくべきこと
makeはすべて英語表記
makeは日本語には対応していません。(2023年11月時点)
すべて英語表記となります。ブラウザの拡張機能などで日本語に翻訳する方法もありますが今回は英語のまま使用しています。
理由としては日本語化すると正常に動作しないという情報があることと、項目やエラーについて調べる際、どちらにしろ元の英語表記が必要になるためです。
実際はそこまで難しい単語が使われているわけではなく、日本語でも英語のまま使用する単語がほとんどです。
テンプレートを使ってシナリオを作ってみる
実際にmakeを使って自分用の自動化システムを作ってみます。私自身はmakeを利用するのが初めてのため今回はシンプルなものをテンプレートから選びました。
いくつかテンプレートを試したところ、多くの機能を持ったツールは当然設定も複雑になるという傾向がありました。まずはmakeの動き方を理解するためにシンプルなシナリオを作ります。
豊富なテンプレートを利用
makeには6000種以上の豊富なテンプレートが用意されています。スプレッドシートやドキュメントなどのGoogle WorkspaceやNotion、Shopify、Discordなど様々なアプリやツールに対応しています。
明日の気温をTelegramに送るシナリオを作る
今回は「明日の気温情報をTelegramに送信する」というシナリオを作ります。
左端に縦に並ぶメニューから「Templates」(パズルピースのようなアイコン)をクリックし、次に「Weather」と「Telegram」の組み合わせをクリックします。
「Start Guided Setup」をクリックします。連携に必要な入力フォームが自動的に表示されます。
今回の目的に合わせ「Tomorrow」にチェックを入れ、「City」に「Tokyo,Japan」と入力して「Continue」をクリックします。
ピンポイントの場所を指定したい場合は2つ目の項目で「coordinates」を選択すれば座標入力が可能になります。
Telegramの準備をする
次にTelegramの設定です。ここからは少し手間が必要です。Telegramに気温情報を送るためのBotが必要であり、makeから離れてTelagramで作業します。
その際に「Connection」の下にある「online Help」をクリックします。
Telegram用ヘルプページが表示されます。このページは読むだけですのでブラウザの翻訳機能を利用しました。
Telegramの設定はブラウザで行います。このヘルプページを参照しながら行うことは以下の3つです。
- Botを追加する
- APIにアクセスするためのTokenを入手する
- Chat IDを入手する
ヘルプの手順に沿ってAPIにアクセスするためのTokenを入手するところまで作業します。
3つめの目的である「Chat IDを入手する」は「メッセージ」の下にある「チャットID」のリンクを参照します。
必要な項目名は「Chat ID」ですが手順は「ユーザーID」の調べ方になるようです。(ユーザーIDの参照リンク先も同じページになっていました)
手順に沿って10桁のUser IDを確認し、Tokenとともにメモしておきます。
makeの設定を完成させよう
再びmakeに戻ります。Telegramアイコンをクリックし、「Add」をクリックし、入手したTokenを入力して保存します。
次にChat IDには入手したUser IDを入力します。
送信して欲しい情報はリストから選択します。メッセージは日本語でも送信可能です。テンプレートの文字を日本語に変更すればそのまま送信されます。入力を終えたら「OK」で保存します。
実際に動かしてみます。画面左下の「Run Once」をクリックしてシナリオを実行させます。
Telegramに無事メッセージが届いたら成功です。makeには下の画像のようにログが表示されます。
Telegramに無事メッセージが届いたら成功です。makeには下の画像のようにログが表示されます。
Telegramに届いたメッセージがこちらです。
うまくいかないときの表示
エラーが出た例を示します。敢えてChat IDに間違った情報を入れて実行してみます。
Telegram側に数字ではなく赤い警告アイコンが出ています。左下のログには「チャットが見つからなかった」と出ています。
Telegramのアイコンをクリックすると詳細な情報を見ることができます。今回は使用していませんが、原因の切り分け用の分岐を追加することもできます。
まとめ:アプリ側の設定がうまくいくかがキー
今回は業務自動化ツールmakeについて会社の歴史やシナリオの作り方について解説しました。
いつも利用しているアプリやツールを組み合わせて業務を自動化できるmakeは無限の可能性を秘めています。さらにプログラミングに関する知識が少なくてもシナリオを組めることは大きなメリットです。
利用するアプリ側のAPIの設定など、make上で組み合わせるまでの準備が必要ですがうまく連携できれば業務の効率化をさらに進めることができそうです。
豊富なテンプレートが用意されているため、業務に活かせそうなものがないか見てみるのもよいかもしれません。
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