こんにちは!AIフル装備のモモです。
私は日々オンライン会議を重ねる中で、「会議中は活発なのに、終わった瞬間から情報の輪郭がぼやけていく」という感覚を何度も経験してきました。
議論は確かに行われているのに、その成果が安定して残らない。この状態は個人の能力の問題ではなく、会議という仕組みが本来抱えている構造的な課題だと感じています。
その課題に対して、Zoomに搭載されたAI機能は、単なる効率化ツールではなく、会議そのものの役割を再定義する存在です。
本記事では、ZoomのAIがどのように会議の質を高め、業務の進め方を変えていくのかを、機能・運用・実務視点から整理します。

ZoomのAIとは何を解決するための仕組みなのか
ZoomのAIは、オンライン会議を「その場限りの会話」で終わらせず、「後から参照・共有・判断に使える情報」として残すことを目的に設計されています。
従来の会議では、記録の質が担当者に依存し、参加者ごとに理解の深さが異なることが多くありました。その結果、会議後に追加説明や確認が発生し、結果として時間と労力が再び消費されます。
AIは会議中の発言を文脈単位で捉え、情報の重要度や関係性を整理します。これにより、会議内容は「聞いた人の記憶」ではなく、「共有可能な情報資産」として扱えるようになります。
ZoomのAIが担う中核的な機能
会議全体を把握したうえで行われる自動要約
ZoomのAIによる自動要約は、単に発言を短くまとめる処理ではありません。会議中の発言を時系列だけでなく、話題の切り替わりや論点の集中点を考慮しながら分析し、会議全体の流れを俯瞰した要約を生成します。
そのため、要約結果を読むことで「どのような議論があり、どこで結論が出たのか」を把握しやすくなります。
特に長時間の会議では、重要な発言ほど埋もれやすくなります。要約があることで、全体を見返す必要がなくなり、判断に必要な情報へ素早くたどり着ける点が大きな価値になります。
議事録作成を前提にした情報の構造化
ZoomのAIは、発言をそのまま並べる文字起こしとは異なり、議事録として再利用することを前提に情報を整理します。話題ごとに情報が整理されるため、会議の流れが追いやすく、第三者が読んでも理解しやすい構造になります。
これにより、会議後に人が行う作業は「ゼロから文章を書くこと」ではなく、「内容を確認し、必要に応じて補足すること」に変わります。作業時間の短縮だけでなく、会議内容の理解を深める工程としても有効です。
決定事項とタスクを分離して可視化する
会議では意見交換、判断、次の行動が混在しがちです。ZoomのAIは発言内容を整理し、「決定された事項」と「今後対応すべきタスク」を分けて可視化します。
これにより、会議後に「結局どう動けばいいのか分からない」という状況を防ぎやすくなります。
タスクが明確になることで、担当者間の認識ズレが減り、追加の確認や無駄なやり取りも減少します。会議を終えた時点で次の行動が整理されている状態を作れる点は、実務上の効果が非常に高いと言えます。
実務において効果を発揮する活用シーン
定例会議や進捗確認の場
定期的に行われる会議では、過去の内容との連続性が重要になります。AIによる整理があることで、前回の決定事項や課題を踏まえた議論がしやすくなります。
結果として、同じ話題を何度も繰り返す状況を減らせます。
意思決定を伴う重要な会議
結論が求められる会議では、判断の根拠を後から確認できることが重要です。要点が整理されて残ることで、意思決定の背景を共有しやすくなり、説明責任の面でも役立ちます。
情報共有や説明を目的とした会議
説明中心の会議でも、重要なポイントが整理されることで、参加者の理解度を揃えやすくなります。後から見返す前提で参加できる点も利点です。
ZoomのAIが対応している言語と対応範囲
ZoomのAIはグローバルな利用を前提としており、非常に多くの言語に対応しています。
- アラビア語
- 中国語(簡体字)
- 中国語(繁体字)
- ベンガル語
- デンマーク語
- チェコ語
- オランダ語
- エストニア語
- フィンランド語
- フランス語
- フランス語(カナダ)
- ドイツ語
- ヒンディー語
- ハンガリー語
- イタリア語
- インドネシア語
- 英語
- 日本語
- 韓国語
- マレー語
- ポーランド語
- ポルトガル語
- ルーマニア語
- ペルシャ語
- ロシア語
- スウェーデン語
- スペイン語
- タガログ語
- トルコ語
- テルグ語
- ベトナム語
- ウクライナ語
言語が異なっても同じ基準で情報整理が行われる点は、多国籍チームでの会議運用において大きな意味を持ちます。
ZoomのAIに関する料金の考え方
ZoomのAI機能と料金体系
ZoomのAI機能と料金の関係
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AI機能の追加費用 | 原則として追加料金なし |
| 利用条件 | 有料プラン契約が前提 |
| 主な機能 | 要約、議事録補助、情報整理 |
導入前に意識しておきたい点
AIは判断の主体ではない
AIは情報を整理する役割を担いますが、最終的な判断は人が行う必要があります。重要な数値や表現は必ず確認することが前提です。
情報管理方針との整合性
会議内容には業務上重要な情報が含まれることがあります。組織の情報管理方針を確認したうえで運用することが重要です。
まとめ
ZoomのAI機能の本質は、会議を「話して終わり」にせず、意思決定やタスクの根拠を“残る形”に変える点にあります。
要約や議事録補助は便利機能に見えますが、実務的には「会議後に発生する確認・すれ違い・再説明」を減らし、会議を業務プロセスの一部として安定させる効果が大きいと考えています。
会議時間そのものを短くする以上に、会議の“後工程”を軽くすることが価値の中心です。
考察として重要なのは、AIが入ることで会議の評価軸が変わることです。
これまでは「会議で良い議論ができたか」が重視されがちでしたが、AIが要点と決定事項を残せるようになると、「その会議が次の行動に接続できたか」「判断が再現できる状態になったか」が問われやすくなります。
つまり、会議の成果が“参加者の記憶”から“共有できる情報”へ移ることで、会議の質を個人技から仕組みに寄せられる。これはチームが大きいほど、また拠点や言語が分かれるほど効きます。
一方で、導入がうまくいく条件もあります。AIの出力は万能ではないため、重要な数値や決定事項は人が確認する運用が前提です。また、会議の目的が曖昧なままだと、AIが整理しても「何を決めた会議なのか」がぼやけたまま残ります。
効果を最大化するなら、会議設計を少しだけ整えるのが近道です。例えば、冒頭で会議のゴールを明確にし、終盤で決定事項と次の行動を言語化する。この“型”があるだけで、要約や議事録の精度と実用性が上がります。
最後に、私は「AIで会議が楽になる」というより、「会議が組織の資産として積み上がる」方向に価値があると見ています。
記録の属人性が下がり、共有のコストが下がり、後工程のムダが減る。会議が増えがちな環境ほど、こうした差は積もって効いてきます。
AIを入れるか迷う場合は、“会議時間”ではなく“会議後の確認・修正・再説明の時間”がどれだけあるかを基準に検討すると判断しやすいはずです。
参考サイトまとめ
- ZoomのAI Companionとは?機能と活用方法
https://www.notta.ai/blog/zoom-ai-companion
- Zoom AI Companionの特徴とできること
https://japan-ai.geniee.co.jp/media/tool/2346/
- Zoom AI Companion徹底解説
https://gais.jp/zoom_ai_companion/











コメント