本記事では、画像編集の概念を大きく変えるAdobe Photoshop Betaの新しい機能についてご紹介します。
AI技術により、驚くほど簡単に写真や画像の編集ができるようになりました。
画像にあるものを消したり、また無いものを指定して新たに追加することもできます。
今まででは考えられないほど簡単になった画像編集について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ジェネレーティブ生成とは
Photoshop Betaでできること
ジェネレーティブ生成(生成塗りつぶし)はAdobeの画像編集ツールPhotoshopに含まれている機能の一つです。
ユーザーが入力したテキストに応じて画像を生成、追加、削除することができます。
2023年5月にPhotoshopのベータ版が公開され、2023年後半には一般公開される予定です。
ベータ版ということもあり、
Photoshop Betaで編集した写真や画像を商用利用することはできません。
公開後も機能が拡充され、7月には画像の余白部分を生成できる画像の拡張機能、さらにテキストによる指示(プロンプト)を日本語を含む100以上の言語で利用できるようになりました。
頭脳はAdobe Firefly
複雑な画像編集を革命的に変えた技術はAdobeの画像生成AI「Adobe Firefly」によるものです。
Photoshop BetaにはAdobe Fireflyが搭載され、元となる画像の明るさや遠近感に合わせ、最も自然な形でオブジェクトの追加や削除が行われます。
Adobeには他にもAdobe Senseiと呼ばれる人工知能と機械学習の技術を合わせたフレームワークがありますが、その中でも画像生成用のAIがFireflyという位置づけになります。
【オブジェクトの生成】
ゼロから画像を生成できる
では、ここからはジェネレーティブ生成では具体的にどんなことができるのか、実際に生成した画像を使って説明します。
「オブジェクトの生成」は新しく人物や物、背景を生成できる機能です。
何もない状態のドキュメントにも画像を生成できます。例えばテキストで「中世ヨーロッパの街並み」と指定すると下の画像が生成されました。
結果は一つだけでは無く数パターン生成されるため、他の候補から選ぶことも可能です。気に入らなければ再度生成ボタンをクリックすれば新たな画像が生成されます。
約10秒でテキストに沿った自然な画像が生成されました。生成途中にはインジケータが表示されるため体感的には10秒より短い時間で生成されるように感じます。
言葉でどこまで通じるのか
生成する画像ををテキストで指示する際に、どこまで理解してくれるのかという疑問があります。
ほとんどの言葉はうまく伝わりましたが、
一部の固有名詞は正しい画像が生成されませんでした。
例えば「ChatGPT」と指示すると「Egypt(エジプト)」の打ち間違いと解釈したのか、ピラミッドの画像が生成されました。
次に「チャットGPT」と指示すると「cat」と解釈したようで1枚は猫の画像になりました。
また、海外の料理名をカタカナ表記したところうまく通じませんでした。
日本語に対応していますが、完全ではないようです。
英語表記がわかる場合は英語で指示する方が意図した画像が生成される確率が上がるかもしれません。
オブジェクトを追加できる
上の画像に新たに生成した画像を追加してみたのが下記の画像です。それぞれのオブジェクトの生成に使用したテキストは以下の通りです。なお、今回は英語で指定していますが、日本語でも大丈夫です。
- 寝ている猫
- 靴
- 走っている人
- 踊る女性
- 神(架空の存在も再現可能です)
- ハリーポッター(特定のキャラクターは生成できません)
- 開いた扉(背景の一部を変形させることが可能です)
それぞれのオブジェクトが背景画像に馴染んでいるのがよくわかります。靴の影や、猫のようすは後から追加した画像とは思えない程自然です。
「ハリーポッター」という生成できない特定のキャラクターに対しては、最大限近いイメージなのか魔法使いのような画像が生成されています。
少し気になる点としては、踊る女性の足や表情が少し不鮮明なため、何度か生成を繰り返してベストな結果を選択する必要がありそうです。
【背景の生成】
背景の生成は、被写体の背景に対して行う操作です。
今ある背景を選択し、「海辺」や「ジャングル」等、生成したい背景を指定するだけで背景を入れ替えることができます。
被写体と背景の境目も自然で、被写体との明るさも違和感のない背景が生成されました。他の機能と同じく3種類生成され、再度生成しなおすことも可能です。
試しにモノクロ写真の背景生成を試したところ、テキストに「モノクロ」と含めずとも正しく色調を合わせた背景が生成されました。
テキストを変えるだけで簡単に背景を変えられるため、短い時間で多くのパターンを試せるのは作業効率を大幅に上げることができそうです。
【画像の拡張】
画面の拡張は、既存の写真やイラストから見切れている部分、本来は無い部分を生成できる機能です。
新たに生成した別の画像で説明します。画像には街並みの一部しか写っていませんが、左側に範囲を広げてみます。テキストで「中世の教会と広場」と入力して実行すると2枚目の画像が生成されました。
いかにも教会らしい外観の画像ではありませんでしたが、どの画像も明るさや全体的な雰囲気を忠実に引き継いで生成できています。境目もとても自然で違和感がありません。
他にも上半身しか写っていない人物の画像を拡張して、全身が収まるように生成することも可能です。
画像の縦横のサイズが合わないことで使いたい画像をあきらめることも無くなりそうです。
【オブジェクトの削除】
写真やイラストで「この部分がなかったら使えるのに」と思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
「オブジェクトの削除」では直感的な作業で不要な部分を削除できます。
画像の削除したい部分を選択し、「生成塗りつぶし」のテキストボックスに何も入れずに生成ボタンをクリックします。すると選択したオブジェクトが削除されます。
また、複雑な形のものを削除する場合は「修復ブラシツール」を使って削除することも可能です。
コツは削除したいものより少し広めに範囲指定することで、周辺とのなじみがより自然に処理されます。
Photoshop Betaを使うには
必要な環境
まずはパソコンが必要となります。Photoshop Betaはデスクトップアプリケーションでのみ使用できます。スマホから使用することはできません。
また、ジェネレーティブ生成機能はクラウド処理が必要なためインターネット接続されていることが条件となります。
必要な手続きと料金
Adobeアカウントが必要です。次にPhotoshop Betaのダウンロードに必要なCreative Cloudアプリをインストールします。この時に必要な料金プランを選択します。
7日間は無料で体験できます。
今後の可能性
ジェネレーティブ生成を利用することで、圧倒的な速さと手軽さで画像を編集することが可能になりました。今後様々な分野での活用が期待されます。
商品販売のデザインではカスタマイズが簡単にできるため、多くのアイデアを形にすることができます。
企業だけでなく個人単位でもクオリティの高いデザインを作ることも簡単になります。
広告やマーケティングでは、従来より短時間で作業できることからターゲットに合わせたカスタム広告のアイディアをスピーディに展開することができます。
家具やインテリアを扱う場合は、特定の部屋の写真をもとにテイストの異なった壁紙や家具などを瞬時に生成できるため、よりリアルにイメージできるようになります。
まとめ:ジェネレーティブ生成が画像編集の新たな可能性を切り開く
Adobeが「魔法のような機能」と説明するジェネレーティブ生成は、画像編集の新たな可能性を切り開く画期的なツールです。
写真や画像の編集がこれまでに比べて驚くほど簡単になりました。誰もが容易に操作できるうえ、結果のクオリティは非常に高いものです。
緻密なデザインやカスタマイズが必要な商品販売から、効果的な広告やマーケティングまで、幅広い分野での活用が期待されます。
この記事を参考にジェネレーティブ生成をぜひ試してみてください。
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